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彼氏をジャニヲタにした話

彼氏と一緒にジャニーズのコンサートに行く(そしてあわよくばファンサをもらう)というのはジャニヲタの夢のひとつではなかろうか。わたしも中学高校とジャニヲタをやってきて、いつかは彼氏と…と思っていなかったこともない。ただ、ジャニーズを見ながらふと横の彼氏をみたらいろんなものが冷めていくだろうし、逆にコンサートで熱狂し震えている姿をみられたら幻滅される気がしていた。ていうかそもそも彼氏ができる気配もなかった。
そんな私も大学にはいり、ジャニーズから足を洗い、しばらくすると彼氏というものができた。オシャレでもイケメンでもないが優しく良い人であった。その彼氏と6年以上もだらだらと付き合っているのだが、ついに、この間の関ジャニズムツアーで、あの「彼氏と一緒にジャニーズのコンサートに行く」を達成することができた。自然発生的にそうなったわけではなく、わたしがはっきりと目的意識をもって「彼氏をジャニヲタにした」結果である。その経緯を記してみようと思う。

 

まず、根本的に、彼氏はヲタク文化に理解があった。これは状況的にかなり有利だった。彼氏の趣味はニコ動でゲーム実況を見たり、生放送をチェックすること。ツイッターのTLは実況者やニコ動投稿者であふれている。高校時代の友達は完全にアニヲタだらけで、彼氏の弟もフィギュアや画集やグッズを集める筋金入りのアニヲタだ。わたしはアニメ界には全く詳しくはないので、どれくらいのものわからないが、少なくとも一般的に見ていわゆる「ヲタク」の人たちと親交がある。彼氏自身はお金をつぎこんでグッズを買ったりイベントにいったりするわけではないので、ヲタ気質ではないとは思うが、そういったものへの抵抗はほぼないといえるだろう。
もしこれが、「ヲタクって気持ち悪いよね」というタイプだったり、無条件でアイドルを馬鹿にするようなタイプだったら、関係性含めいろいろとうまくはいかなかったと思う。

 

 

こんな彼氏をジャニヲタにしようと思い、わたしがとった行動は、「とりあえずなんとなく目に触れるようにしておく」ということだ。彼氏が家に遊びに来る少し前からジャニーズのバラエティの録画をテレビで流しておく。今だったらVS嵐くらいがちょうどいいのではないだろうか。わたしは関ジャニ∞がすきなため、一般の人が見てもおもしろいバラエティというのがわりと多くあったのも救いだった。彼氏が家に来ても、まるでBGMかのようにさりげなく映像を流しておく。つけたんじゃなくて、ついているだけ。なんとなく、消していないだけ。あくまでもBGMなので、画面にくいついて見たり、ちょ!今のとこリピート!とかそういうことはしない。あくまでも彼氏と会話が普通におこないながら、サブリミナル的にジャニーズのことを植え付けていく。
これを続けると、彼氏もだんだん「家でジャニーズが流れている」という状況に慣れてくる。メンバーの名前や立ち位置もなんとなく覚えてきて、たまに映像を見て「おもしろいね」て言ってみたりもする。

 

ここで第二段階として「家で流しておく映像を、バラエティからコンサートのMCにかえる」ということをおこなった。話している内容はたわいもないことであるが、やはり空間が普通のバラエティとは違うし、メンバーしかいないため、抵抗があると見続けるのは厳しいと思われる。わたしは「8TESTのMC(3時間21分)」をひたすらに流しておいた。また、∞祭のガチンコ祭(3時間58分)もバラエティっぽい、ということで同じように流しておいた。
ここまでくるとメンバーのあだ名や関係性、どういうネタが鉄板かということもなんとなくわかってくる。「マルはよくわからないギャクを言う」「亮ちゃんは意外とこういうゲームは苦手なの?」といったことを発言するようになってきた。

 

この次の段階が「楽曲を聞かせる」であった。バラエティやMCは、そんなに好きでなくても内容によっては気軽に見られるが、楽曲は好きでないと聞いてもらえない。とくにジャニーズの楽曲は、いくらジャニーズの辺境といわれる(?)関ジャニ∞であっても、一般の人が聞けばしっかりジャニーズであるし、声や歌い方もやっぱりジャニーズである。ここでもわたしは「なんとなく流しておく」という作戦をとった。どんだけなんとなく頼り。曲だけ流すのもどうなんだろう、と思ったので、MVを流しておいた。キングオブ男など、ただのMVより少し面白くてひっかかりがあるようなものを厳選して流した。ただし、MVは連続で長時間流すこともできず、あまり興味は示されなかった。しょうがないのでとりあえずアルバム「JUKE BOX」を貸してみた。「(ニコ動で有名になった)ヒャダインがつくってる曲があるよ」とか言って貸した。知名度がある方に曲を書いてもらえるとこういう特典もあるんだな、としみじみした。

 

アルバムを聞いてくれたことにより、彼氏の中の関ジャニ∞はぐっと身近になったらしい。酔っぱらった勢いでカラオケにいき、とりあえずJUKE BOXの曲を何曲かいれてみたら、ノリノリで歌っていたので、「お、これはきている」という手ごたえを感じた。

 

ここまできたらあと一歩だ。
満を持してコンサートDVDを一緒に見てみた。コンサートDVDは通しで見ると2時間くらいあるうえに、知らない人には同じような曲が同じような演出で演奏されるようにも見えかねない。苦痛で心が離れてしまっても困る。
その当時一番新しかった上にアルバムも貸していた「JUKE BOX」のDVDをみた。今回は流しておくのではく、しっかりと腰を据えてみた。止めてリピートまではしなかったが「この瞬間のここがかっこいい」「この絡みがとてもかわいい」「この衣装がいい」「この演出がいい」「ムービングステージは松潤考案だ」と言ったような解説、見方の説明を逐一いれていった。楽しみ方をきちんと提示することで、見るポイントをしぼってあげるように心がけたのだ。ついでに雑学も入れ、なるべく飽きないようにした。
耳だけで聞いていた曲が、こういう演出で目に見える形になること、ジャニーズ特有の光や火を使ったステージの魅せ方に新鮮に驚いていた。2時間しっかり見た後、彼氏はひとこと「これ他にもないの?」と聞いた。

 

ここでわたしは完全勝利を確信した。
あとは簡単だ。うちにあるDVDやアルバム群を流れるように貸し付けた。
そして気付いたときには彼氏は「横担」を自称するようになっていた。


以上がわたしが彼氏をジャニヲタにするまで、である。
このような状態になり、満を持して関ジャニズム大阪公演に連れて行ったのだ。ここまでだいたい10カ月ほどであった。
彼氏は今でも自分で積極的にグッズやアルバムを買ったり、チケットをとったりするわけではないので、ジャニヲタと言えるほどではないかもしれないが、ジャニーズ、特に関ジャニ∞には興味を持ってくれ、リリースやニュースをチェックしたり、テレビを見たりするようになった。
酔っぱらいながら「小さい時の亮ちゃんかわいすぎてやばい…」ていうアラサー男性としてどうなのかと思うような電話をかけてきたりもしたので、ある程度のところには到達していると思っている。(そしてそう思わせるエンジェル錦戸はやっぱすごい。)


 

わたし個人的にも、人に自分の好きなものを薦めて、それに興味を持ってもらったり好きになってもらったりという経験がなかったので、この一連の流れはとてもおもしろいことであった。少しずつ、でも確実に魅力を伝えることによって、ハマらせていく。それがうまい人の周りには、「気付けば沼にはまっていたんだけど…」というような被害者とも幸せ者ともとれるような人が大量にいたりするんだろう。
難しいと感じたのは、初期の方に何を見せるか。わたしがとてもおもしろいと思ったものでも、あまり反応がなかったりもした。例えばCanジャニ*1とか。でも関パニ*2はとてもおもしろがって見ていた。よく私含むヲタクがジャニーズ出演の番組に対して「もっとこうしたらおもしろいのに」と思うが、それが一般の人にとって必ずしもおもしろいとは限らないと言うこと、一般の人にとっておもしろいもの、気軽に見られるものを提供することも大事なんだろうなぁということも、ぼんやりとわかった。
まぁこれも、対象が関ジャニ∞だったのでてっとりばやくバラエティから導入してみたわけで、役者に特化した人ならば映画やドラマを見せる方が効果的かもしれない。何がそのグループにとっての強みで、一般受けし、ハードルが低いかというのは、考える必要があるだろう。

 

ちなみに、実際に彼氏とコンサートにいって、「ジャニーズを見ながらふと横の彼氏をみたらいろんなものが冷めていくだろうし、逆にコンサートで熱狂し震えている姿をみられたら幻滅される」ということがおこったかどうかであるが、結論から言うと、そんなことはなかった。というか、彼氏☆きゅん☆みたいな状況でジャニーズにハマることは難しく、ある程度ジャニーズにハマっている時点で、彼氏はそういう対象ではなくなっているのだなぁと感じた。 (い、いい意味で!)

*1:メンバー2〜3人が毎週ロケに出る挑戦系バラエティ 2008〜2009年放送

*2:白ホリの何もないセットで、関ジャニ∞がジャージを着てお絵描きしりとりやクイズで対決したり課題をクリアするバラエティ 2009〜2010年放送