関ジャニ∞ 元気が出るCD‼︎は本当に元気が出るCDだった

少し出遅れましたがアルバムの感想を書きます。


一言で言うと、これは名盤!!!!!!
個人的にコンセプトがはっきりしているアルバム及びライブが好きなので、既存アルバムで最も気に入っているのは8UPPERSなんだけれども、元気がでるCDはそれに匹敵するくらいのコンセプトアルバムだなぁと思っている。8UPPERSは架空の設定の中で世界観がはっきり構築されていく形だったけれど、元気がでるCDは等身大の表現をとおしてそれが実現されていて感心してしまう。
基本的なアルバムの色を決めるのは選曲と曲順だと思うのだが、元気が出るCDはそのあたりがとても巧み。
最初楽曲提供者やバンド曲中心と聞いて、どんなアルバムになるのか多少不安もあったし*1、5曲もあるシングルたちをどう処理するんだろう?と思っていた。蓋をあけてみたら、それぞれの楽曲がバランスよく配置されていて、似た曲はないのに一貫性はあるという素晴らしいものになっていた。特にシングル曲のはさみ方はとてもうまいと思う。『強く強く強く』なんかは、単体で聞いたときに「関ジャニ∞のシングル5回に1回くらいある無難なミドルバラード」という印象しかなかったが(失礼)、このアルバムの流れで聞くと、改めて良さを発見できて、思わず唸ってしまった。
とにかく「アルバム」としてとても気に入ったので、シャッフルやどれからだけをリピートすることもなく、頭から流して聴き続けている。それでも不意に突き刺さる歌詞が聞こえてきて、思わず立ち止まってしまうときも。なんともまぁ味わい深い1枚。
以下、楽曲でとくに思ったことがあるものたち。

 

・High Spirits 〜 勝手に仕上がれ
この流れで、このアルバムの勝利を実感。有無を言わさずかっこいい…!
これ演奏しているの関ジャニ∞なんだよ!って言ってまわりたくなる衝動!
とにかくコンサートは絶対これで始まってほしい。始まらなかったら信じられない。日常とは違う異空間、全部忘れさせてくれるだけの威力がある!
とくに丸山さんのベースに期待している。とっても上から目線で失礼なことをいうけれど、今まで丸山さんはあんまりベースがすきじゃないのかなーと思っていた。いや、すきだと思うけれど、それ以外にもすきなものはいっぱいあるというか、優先順位がそんなに高くない感じ。アイドルだからそれでいいっちゃいいし、他にもたくさんやることや伸ばすべき強みはあることもわかっているんだけど、なんとなくもったいないなぁと感じていた。それが、今回自ら演奏に参加を名乗り出て、ハマオカモトさんの直接指導をうけたと聞いて、とても嬉しかった。なんとなく一皮向けたのかなって思っている。ベースってカッコよく弾けると本当にカッコよいんだよね。だからとても期待している。


・韻踏ィニティ
韻を踏ませたら右に出るものはいない渋谷すばる作詞の1曲。
「エイター」と叫ばせたらこれまた右に出るものはいない渋谷さんのエイターがしょっぱなから聞けるのでとてもよい。なんだかんだで渋谷さんのエイターが聴きたいエイターは多いのだ。
ある意味等身大の一曲というか、彼ら自身のことをうたっているんだろうけど、本当にこの人たちは変わらないなぁと思う。どうにかなりそうであかんくってもお祭り気分で笑って楽しんだら最高で最強。パブリックイメージは「お祭り気分で笑って楽しむ」なんだろうけど、そのまえに「あかんかも」っていうメンタルが必ず付随しているし、自分たちで「最高で最強」と言い聞かしながらファンも含め内部をどんどん強固にしてきた感じ。
しかしこのタイミングで「行かんといて」「離れんなよ」というメッセージを投げかけてくるとはどういう意図があるんだろうか。担降りとかファンが離れるとかそういうこと、結構気にしているのか、もしくは実感しているのかなと勘ぐってしまう。もしそうだったとして、それに対する解決策として「行かんといて」「離れんなよ」という訴えることを選んだとしたら、その愚直さとかわいらしさにまんまとやられてしまう。そんなこと言われたら離れられるわけはないのだ。たまには他に浮気することもあるかもしれないし、文句をいうこともあるかもしれないけれど、やっぱりここじゃないと、と思わせられる。
最後に「むかしのまんま」でしめるの、ずるいなぁ。


・ふりむくわけにはいかないぜ
サンボマスターの歌詞めっちゃ良いし、道端で聞こえてきたら泣いてしまう曲1位。
丸山さんの「苦しむために生きないで」を聞いて、自分の現状を照らし合わせて泣くということをさんざん繰り返している。
超個人的なことだけれど、この曲はたぶん何年たっても今を思い出して泣くと思う。




今回のアルバムの指揮をとったのが渋谷さんということで、そのセンスの良さや聞いてきた楽曲の深さ、今までの経験がぎゅっとつまっていたりするのかなぁと思いを馳せている。わりと個性とか自分が強い方だと思うけれど、それは良い意味であまり感じられなくて、マイルドだけれどしっかりと根付く形でアルバムに反映されている気がする。まぁこの辺は勝手にそう思うだけだけれど。
そしてとにかくコンサートが楽しみすぎる。はやくこのアルバムを可視化してほしい。3Dになったときにどういうかたちで表現するのか、それを考えるとわくわくがとまらない。


というわけで、名盤です。これ。


あと、韻踏ィニティを聞いて、関ジャニ∞は本当に「会いたい」アイドルなんだな、と思った。向かう方向が「会いたい」だから、このあいだのリサイタル*2が成立するのか、と思うと妙に納得した。ジャニーズの各グループが目指す先は世界観だったり、圧倒的な位置だったり、ダンスだったり、魅せ方だったり、親しみだったり、本当に様々だけれど、関ジャニ∞はその中で「会いたい」「会いに行く」を選んだのかな、と。ただ、「会いたい」「会いに行く」を突き詰めるのは難しいぞ、とも思う。距離を詰めれば「会える」わけではない。回数を増やせば「会える」わけでもない。たくさんの武器はもっているグループだからこそ、関ジャニ∞の考える「会える」をどのように具体化していくのか、それをどう広めていくのか(もしくは広めないのか?)、ますます気になってしまうなぁと思っている。

*1:私はどちらかというと「ジャニーズたるもの踊ってナンボ派」なので

*2:ファンに自分たちが会いに行くと称して、普段は回らないような地方の会場を回ったイベント。スタンドをトロッコで回るお近づきメドレーもあったりして、近くに行きたいというスタンスが強かった。