「関ジャニ's エイターテインメント」にいってきました

行ったコンサートの感想はちょこちょこと書いているのですが、関ジャニ∞のコンサートの感想を書くのは2年ぶりですね。去年の冬ツアーもいろいろ思うことがあったんだと思うのですが、最後の最後でどう言葉にしていいのかわからず、結局諦めたのでした。今年は無事7人で完走できたし、本当に楽しいコンサートだったので、ちゃんとその気持ちを残しておこうと思います。

というものの、すでにいろいろ忘れかけているので(早い)、強く思ったことだけ。全部想像ですよ、あくまでも、念のため!

 

 

関ジャニ∞バンドの魅せ方の正解をみつけた

今回のツアーで一番すきだったのが、最後のバンド演奏3曲です。

まず、Tokyo holic。なんだかかっこいいセッション曲としてシングルの特典DVDにはいっていたものが、こんなにグッとくる歌詞を添えて披露されるとは思っていませんでした。Tokyo holic、つまり東京中毒というわけですけども、デビュー10周年もすぎ、東京に拠点をうつしてからもかなりの年月が経ち、それこそお茶の間にも顔や名前や存在が浸透してきている今歌われる「I don't like you TOKYO」。シャウトしながら歌う姿は、彼らが東京で(そして芸能界で)闘ってきたのであろう姿とシンクロします。とくに亮ちゃんの「そんな上から見んなや こっちも必死なんじゃ」は、器用にいろいろなことをこなし、一時期は2グループに所属してバンバン活動していた彼が、今までは言わなかった言えなかった言葉なのかと思うと、余計に胸がつまります。
そして2曲目の象。メンバーと公私ともに仲が良い高橋優さん提供曲で、2年前のアルバム関ジャニズムに収録されています。当時から「バンドでやればめっちゃかっこいいはず」「難しそうだから無理かもしれないけれどいつかはバンドでやってほしい」という声は聞かれていた曲が、満を辞してのバンドお披露目。鎖に繋がれているサーカスの象になぞらえて、本当はもっと遠くまで行ける、まだまだやれるということを歌っています。「10年後またここで会おうよ その時は今よりずっと笑っていよう」という歌詞を聞いて、この人たちはこうやって、永遠の危うさを知りながら10年を積み重ねていくことを繰り返してきたし、繰り返していくんだろうなと思うとまた胸がつまります。もうとにかく胸がつまるんです。
そして最後がNOROSHI。今出ている中で一番最近のシングルで、生田斗真主演映画『土竜の唄』の主題歌ですが、こちらはシンプルに演奏がかっこいい。入りのスラップベースからキーボード、ギターのつなぎがとても好きです。Tokyo holic、象という2曲が直前にあることで、闘って、さらに高みを目指してきた人たちが「狼煙 高々とぶちあげろ」と、己を鼓舞しすすんでいく姿をよりリアルに見せつけられます。余裕ではなく、必死で、それでも自分たちの本当の力を信じて、生き様を見せつけてくる姿に胸がつまります。

もうとにかくこの3曲は胸がつまるんです。エモい、最強にエモい関ジャニ∞。このエモさが関ジャニ∞の魅力だし、そういう演出や物語の紡ぎ方はとてもうまいのです。*1

コンサートの終盤にバンド曲をするのは今までもよくあったし、自身を連想させる曲やストレートで泣ける歌詞を歌うこともよくあったのですが、今回はそれがさらにパワーアップしてより高度なパフォーマンスに昇華されたな、という気がしました。単なる歌詞の内容だけでなく、もっともっと訴えてくるものになっていると思いました。選曲もそうだし、顔の表情もそうだし、演奏する立ち姿もそうです。そして、それらを可能にしたのが「音楽技術」なんだと思いました。関ジャムというレギュラー番組が始まり、毎週のように、一流の人たちとセッションするようになってもうすぐ2年がたちます。素人目ですが彼らの音楽技術は向上して、安定しています。だからこそ、より深い表現が可能になっているのでしょう。プラスアルファの部分をのせられるようになっている。そのプラスアルファがバンドを飛躍的に魅力的なものにしています。ある意味魅せ方の正解を掴んだともいえるのではないかな。関ジャニ∞ついにその域に達したか!と思うと感慨深い。
きっとこれからももっといろいろな表情や演奏をみせてくれるのでしょうが、この2年弱の進化がとてもいい形でみれたのが今回のバンド3曲でした。

 

カメラアピールを覚えた渋谷すばるは最強

終始ニコニコしていた渋谷すばるさん。
トロッコの上でふわふわと手をふるだけでなく、カメラにむかってピースしたり、笑いかけたり、見つめたり、ウィンクしたり。10年ほど前のすばるさんは自分のしたいこととアイドル業との折り合いの付け方がうまくいってなさそうで、コンサートも楽しいのか楽しくないのかわからなかったし、それでも歌わなくちゃ生きてけなそうだったし、「今回のすばるは機嫌がいいだろうか」というのを気にしながらコンサートに入ってたりしたので、もうね、それがね、いまや!楽しそう!すばるさんが楽しそう!!っていうだけじゃなくてなんか手とかふってくれる!!!!天変地異!!!!!っていう感じです、いやまじで。

とても共感したツイート。渋谷すばる、アイドルを楽しんでみよっかなって思っている、すごい。そして、アイドルを楽しみだした渋谷すばるはとびきりかわいくてとびきりかっこよかったのです。痩せた横山裕の美しさにハッとするように、カメラアピールをする渋谷すばるのかっこよさかわいさはこの世のものとは思えませんでした。
これはきっと語り継がれると思うのですが、NOROSHIの「あら 控えめなのねガールズ」の箇所、重たい前髪から覗く左目で、こちらを見下しながらウィンクをするすばるさん。名古屋公演で初めて見て、私は腰が砕けたし、同行者も腰が砕けていたと思うし、モニターをみていたファンはみんな腰が砕けていました。歓声ではなく悲鳴があがっていました。味をしめたのか、ウィンクは回を追うごとに増え、でもそれがどれも本当にかっこよくて色気があって、何回見ても声をだしてしまって、そのことでさらにカメラアピールが増え、この良い循環はなんなんだろう…とぼーっとする頭で考えてみても、よくわからず、でも最高だなと思っていました。
アイドルがカメラをみて、かっこいいことやかわいいことをして、ファンが歓声をあげて、それによってアイドルが気持ちよくなるっていう関係性はとても健全ですよね。年月を経て、その関係性が成立したのはとても良いことだし、とてもおもしろいことだとも思います。

関ジャニ∞の皆様は、良くも悪くも渋谷すばるにひっぱられるところがあるので、この調子が維持されるのならば、他の人のカメラアピールも増えてくるのでは?とも思っています。関ジャニ∞のカメラアピールって「しない」か「かわいこぶる」かのどちらかであることが多いので、「かっこつける」が導入されたら、とても嬉しいし、きっと幅も広がるはず。ただ、いかんせん天邪鬼な方なので、次回以降どうなるかは未定ですが。

 

セトリではない意外性の表現

今回のツアーですが、最初にセトリを見た時は正直ちょっとがっかりしたのを覚えています。行くはずだった初日に行けなかったのですが、初日のセトリを見て、行けなかったことによるダメージが少ないかも、と思いました。というのも、久しぶりのアルバムなしツアーで、昔の曲やカップリングが披露されるのではないかと勝手に大きな期待を抱いていたのです。*2以前のコンサートでJr.時代の渋谷すばるを代表するような「愛してる 愛してない」が歌われたときの記憶があって、もしかしたらあの時と同じような体験ができるのでは?と勝手に胸を膨らませていたのです。でもセトリを見た段階ではそういったトキメキはありませんでした。こんなになんでもできるフォーマットなのに何もしないのはなぜ?!という憤りだけありました。そんなツアーが、最後はとても楽しく終わったのはいったいなぜだったか?
それはセトリの質以上に、各曲の質が高くていろいろな表情を持っていたからだと私は思いました。
ライブの質をあげる要素の一つにセトリがあって、それは世界観を構成するものだと思っているのですが、関ジャニ∞はここがあまりうまくないです。いや、ばちーんとハマるものもあるのですが*3、ライブやイベントの回数の多さからか、ファンの近くに行きたいという気持ちからなのか、とにかく焼き直しが多い印象です。同じ曲、同じ趣旨の組み方、基本的な流れ、いまいち設定を活かしきれていないな…と思うこともざらです。*4
でもその代わり、一つの曲をいろいろな形でみせることはとてもうまい。今回もアコースティックコーナーではいろいろな年代のいろいろな種類の曲をそれぞれアレンジして切なくセクシーに歌っていました。私は、こんないい曲だったんだと、改めてI to Uを発見しました。2015年に発売した「言ったじゃないか」をスカアレンジした「言ったじゃないスカ」は曲調もあいまってとても楽しかったです。まさか浮世踊りリビトがお手振り曲として登場するとは思わなかったけれど、関ジャニ∞はそうやって違う角度から楽曲を切り取ることをよくおこなっているなと改めて思いました。それは彼らのできることの幅が広いから、とも言えるのではないでしょうか。
で、関ジャニ∞の考える「意外性」っていうのはセトリや選曲という外側の部分ではなくて、曲の表現やアレンジといった内側の部分に現れてくるのではないかな、と。きっと今後もサプライズ選曲や昔の曲をやる!ってことはあまりないかわりに、今まで知らなかった形で、曲のいろいろな表情をみせてくるのじゃないかなと思っています。その手法ある意味とてもコスパが良い。昔にとらわれ過ぎてこともなくて、あらゆる人が楽しめる方法なのかもしれないです。単純にいろいろな面が見られるというのは飽きさせない手段のひとつでもあるし、今回はそれが特にうまく生きていて、ダレることもなくテンポよくみられた印象でした。
ま、本人らの感覚とオタクの感覚がいまいちずれているだけかもしれないですけどね!認知度とか、時代感覚とか、時の流れとか!*5理解はしたけれど納得はしきっていない部分でもあります。せっかくの冬のカップリング曲はぜひ冬ツアーでやってくれ!

 

関ジャニ∞らしさ」とは

ここ何年か、関ジャニ∞はずっとこれを模索しているように思います。でもって帰ってくるところはいつも一緒で「全部」。

「全部」ってことは「なにもない」と言えてしまう可能性もあります。デビュー当時は東京(及び同世代のジャニーズ)に対するカウンターとしての存在だったのが、対抗する相手がいろいろな理由でいなくなったり形がかわったりして、でも嵐や先輩はぶつかっていくには大きさや距離が違い過ぎてたりして、自分たちを差別化するためのちょうどいい相手がいなくなってしまっているというのが個人的な印象でした。「大阪から出てきて、事務所から冷遇されてて」っていうおきまりのエピソードが嘘くさくなるくらいには関ジャニ∞は大きくなっている。当初とは違う立場でどう振る舞えばいいかがしっくりきていないように見えました。中堅としての自分たちのあり方を見つけられていないとも言えるかもしれません。だから毎年毎年「自分達らしさ」を探していて、で、結局「全部」という答えになってしまって、わかったようなわからないような、という時期が続いていたなぁと思います。
今回は変わらず「全部」なのですが、「全部」のレベルがあがっていて、結果としてかなりしっかりした「全部」になった、つまり、関ジャニ∞そのものがまたひとつ大きくなったな!と感じました。わかりやすい直線をのぼる道ではなく、すごろくのようにマス目をひとつひとつクリアしていく形ではなく、広く太くなっていくというやりかたの「大きくなり方」を提示してくれたのは、今後の活動に対する期待という点でもとても良かったです。
個人的嗜好からいえば、次はダンスの魅せ方・楽しみ方に気づいて、そこを強固なものにしてくれないかなーと思っているのですが、この度我らが安田章大さんがBlack of nightという見事なダンス曲を提供してくれたので、こちらも楽しみに待っていていいんじゃないの?という気もしています。


関ジャニ∞、まさに次のフェーズへの移行期で、ここ数年でどうなるかが決まるともいえるタイミングで、このコンサートをしてくれたのは本当によかったと思います。特別に新しいことをしなくても、これぞ関ジャニ∞というものがとてもいい形でアウトプットされたなーという感じ。派手さはないけれど、ここ数年のあれやこれやが綺麗に凝縮されて、まさに関ジャニ∞を体現するようなコンサートだったのではないでしょうか。数年揉み続けてきてよかったね。


思っていた以上に感想が長くなってしまったのですが、「楽しかった!終わるのが寂しい!!」と本当に素直に思えるコンサートだったなと思います。

 

とか言っていたら夏ツアーやるとかいいだしたので、えっ!ホンマ!?びっくり!!って感じなんですけど。
2017年いつもとは一味違う一年になりそうです。

とりあえずなぐりがきBEATのリリースが楽しみ!

*1:そして、たぶんそこが、ある種宗教的と言われる所以

*2:実際にどこかで言っていた気もする

*3:ぱっちとか十祭とか

*4:この辺りがうまいのがSMAP。いつかSMAPのようなコンサートを、と願わなくもない。あんな練って凝ってお金かけたコンサートはもうあまり見られないのかと思うと寂しい。ぜひあれにチャレンジするグループ出て来てほしい。ちなみに嵐、TOKIOらへんははいったことがないのでわからない

*5:オタク的には「最近」がメンバー的には「昔」だったり。オーラスでやったタコマイとか、ほんとついこの間やったばっかりだと思っていたのに、「懐かしいやろ〜〜」と言われて驚いた。懐かしいとは、Explosionとかサムライブルースとかを言うんだよ!