関ジャニ∞安田章大くんに愛を込めて、GR8EST札幌・名古屋の感想を

※ネタバレあります

 

 

ジャニヲタの活動で、コンサートに行くことが一番すき。自分の中で大切にしたいものがクリアになって、毎日を生きる推進力をもらえる。

今年も関ジャニ∞のツアーが始まった。今回のツアーはいつもとは少しわけが違う。関ジャニ∞のメインボーカルである渋谷すばるくんが、ツアー前日をもって関ジャニ∞の看板を下ろした。脱退会見から3ヶ月。6人の関ジャニ∞が初めてファンの前に姿を表すツアーになる。不安、緊張。6人のステージをみて、自分がどう思うかなんてわかんないねと言いながら初日を迎えた。

 

さらに気になっていたことが、安田章大くんの体調。わたしの自担、いわゆる推しの安田くんは昨年の2月に髄膜腫の手術をした。リハビリをしながら1年ほど経過したこの4月に、"立ちくらみ"により転倒、背中と腰を骨折した。日常生活は送れるようだが、踊ったり走ったり跳んだりはできないということだった。*1今回のツアーも不参加や延期が検討されたらしいが、6人で初めてのコンサートということもあり、初日の札幌から出演が決定した。

私は、踊る安田くんが、とてもすきだ。コンサートDVDでも、メイキングのダンスリハを1番……とは言わないまでも、かなり楽しみにしている。だから、安田くんが踊れないと知った時は、正直悲しかった。今回のコンサートでは、村上くんのソロ曲のバックで錦戸くんと大倉くんがヒップホップ風のダンスをする演出がある。2年前のコンサートでも同じ曲で村上くん以外の他のメンバー全員が今回と同じようにヒップホップ風のダンスをしたのだが、そのときの安田くんがあまりにかっこよすぎて、これに8000円払ってもいい!!!!と真剣に思っていた。が、いろいろあってきちんと踊る姿はDVDに収録されなかった。それが本当に悲しくて、その悲しみは今もまだ完全に成仏できていない。今回、村上くんのソロ曲で踊る二人をみて、安田くんが踊れたら、ここで再びあのダンスが見られたかもしれないな……と切なくなった。でもそもそも安田くんが踊れたらユニット曲の構成も変わったかもしれないし、それはなんとも言えないよな、と思い直した。と、同時に、当時のDVDがあまりにイケてなさすぎて腹が立ちまくった記憶が新鮮に蘇った。

また、安田くんは病気の影響か、強い光がダメらしく、常にメガネをかけるようになった。

わたしはメガネをかけていない安田くんがすきだ。でもって、前髪はおろしている方がすきだし、髪はふわふわのパーマがすきだし、黒髪よりは金髪、金髪よりは茶髪がすきだし、まゆげは整えられている方がすきだし、目がなくなるくらい笑った顔がすき。きりっとした顔もすき。だからまぁなにが言いたいかというと、ビジュアルの好みなんて、取るに足らないということ。メガネはかけていない方がすきなんだけど、メガネをかけていてもすきだし、どうせかけるなら丸いメガネだと可愛くていいな、みたいな、気軽なものなのだ。それで安田くんの価値はなにもかわらない。

なんというか、「安田章大をかわいそうな人にしたくない」と強く思った。100%のパフォーマンスはできないかもしれないが、しっかりした歌声には「安田くんってこんなに歌がうまかったっけ……」と驚いたし、踊れないにしてもリズムに乗る姿は体から音楽があふれるようだったし、ギターをかき鳴らす姿はセクシーすぎてめまいがした。安田くんの表現はなにも劣っていなくて、十分ではないにしろ、足りないと感じることは何もなかった。これは断定だ。なにもダメなところがなかった。

だから、わたしは「安田くんかわいそう」という声に、強く抗いたい。そういう目で自担を見て欲しくない。安田章大はかわいそうな人ではなくて、かっこよくて、強くて、優しくて、最高のパフォーマンスをしてくれて、いっぱいいっぱい愛をくれる人なのだ。別に誰かが「安田くんかわいそう」と言ったわけではないが、今後そういう声を聞いたら、わたしは明確に怒ると思う。

 

と思っていたのだが、安田くんは名古屋最終日の今日の公演で「男は泣いたらだめだと親にいわれていたけど……」と言いながら、涙ぐんで挨拶をしていた。おそらく、全然体調はよくなくて、札幌名古屋の出演は諦めて8月末の大阪公演から復帰する、という話が、わりと現実的にあったのだと思う。「名古屋のステージに立つことが課題で」と言っていた。この3日間を無事に乗り越えることが、想像以上に大変なことで、それでも状況を鑑みて無理をしてでもステージに立ってくれた。無事3日間を終えられそうなことによる安堵なのか、思う存分表現ができないことによるストレスや情けなさ(本人は何回か自分の体調を情けないと言っていたし、謝っていた)なのか、はたまたプレッシャーによるものなのかわからないけど、安田くんの涙に思わず胸がぎゅっとなった。安田くんはあんまりファンの前で泣かない人なので(たぶん)、わたしは衝撃でオロオロしてしまった。好きな人には笑っていてほしいし、おいしいごはんを食べてほしいし、健やかに暮らしてほしい。

コンサート中にメンバーと何回か「ヤス元気〜?」「そんなに」「そんなこというなよ(笑)」といったやりとりがあった。冗談にできるくらいなのでそこまで深刻ではないともいえるけど、「元気!」と胸をはって答えられるほど元気ではないんだろう。嘘をつきたくない安田くんらしいなと思った。ツアーパンフレットで誰よりも強い言葉で「はやく6人の音を届けたい」と言っていたのは、必ず6人で舞台に立つという決意があったからかもしれない。あえて言葉にしたのは、不安もあったのかもしれない。

わたしは安田くんの涙にわりと動揺してしまって、今の状況を改めて呪いたくなった。でも、挨拶の後の安田くんの表情がかっこよくて、歌声は最高に伸びていて、表現も豊かで質が高くて、ニコッと笑った顔がとてもかわいくて、やっぱり安田章大をかわいそうのフィールドに置きたくないと思った。いったん呪うのもやめた。

心配じゃないと言えば嘘になるが、不必要に心を不安に向けるのはやめたい。素直に、彼が発信しているものを受け取りたい。例えば少し苦しそうにみえたり、笑顔が少なかったりを、目ざとくみつけて、「ヤスくん……」となるのは、わたしは嫌だし、あまり誠実ではないと思う。実際苦しかったり、笑えなかったりすることもあるかもしれないが、変に詮索することではない。それよりも彼が魂込めて歌ったり、踊ったり、ギターを弾いたり、喋ったりする姿を真正面から受け止めて、愛でる方向にエネルギーを使いたいと思う。

だってうちのギター、ほんとうにかっこいいのだよ。世界で一番かっこよくて、かわいいのだ。私は安田くんを溺愛している方ではないと思っている(ほんとか?)が、それでも安田くんのすごいところは何個だって言える。

大阪までは少し時間があるので、その頃には今よりよくなっている、と言ってくれた。(でもあんまり期待しないで、とも言っていたが。それは彼の思う100%のパフォーマンスには届かないかもしれないということだと解釈。そらそうだ、1ヶ月だもん。)「元気になることが仕事」とも言ってくれて、それは結構安心した。近くに行けなくてごめんねって言ってたけど、近くに来てくれなくても(来てくれたら嬉しいけど)、安田くんのいいところはビシバシと伝わって来て、そのことで私は幸せになれるので、全然大した問題ではない。

錦戸くんが「(渋谷くん最後のテレビ出演である)関ジャムのセッションで泣いてしまったけど、そのことによって整理がついた」と言っていた。安田くんも今日ちょっと泣いたことで、なにか吹っ切れたり、整理がついたりしたらいいな、と思う。

  

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札幌ドームで6人になった関ジャニ∞が初めて舞台に登場した時に、収まりの良さに衝撃をうけた。前3人、後ろ3人のバンド編成はあまりにバランスがよく、一目見て人数が減ったことを感じてしまった。収まりがいいことを収まり悪く感じるなんてことがあるんだなぁと妙に冷静に思った。直前に発売されたアルバムは、2012年に発売されたあおっぱな以降のベストアルバムである。よって、コンサートもシングル曲を中心に構成されていた。つまり、6人のために作られた歌はまったくない状態だった。*2先週まですばるくんが歌っていたパートを、代わる代わる他のメンバーが歌う。耳にはまだすばるくんの声が色濃く残っていて、記憶って結構強いんだなぁと思った。コンサート前半のバンドパートが終わるまで、すばるくんが歌っていたパートがくるたびに泣いていたと思う。メインボーカルなので、かなり頻繁にその機会は訪れ、その度にハンカチで目頭を抑えていた。

札幌公演は、緊張とヒリヒリしたものを感じた。実際、最後の曲の前で一人ずつ挨拶をするときに、何人かのメンバーが「ここまでこれてホッとした」と言っていた。それを聞いて私もホッとした。互いの不安を確認したこと(つまり、私たちの感情は独りよがりなものではなかったということ)、コンサートが最後まですすめられたこと。複雑な感情は依然存在したが、なんとなくこの6人ならば大丈夫かもと思えたのはよかった。

名古屋ではその緊張がいくらか和らいでいた。もっと純粋に貪欲にコンサートを楽しもう、楽しませようという気概を感じた。表現が難しいし、さっき言ったことと矛盾するかもしれないが、芝居くささが薄れていっているな、と思った。肩の力が抜けている、ともいう。MCでしつこく悪ノリをする彼らが、大好きだなと思った。実際めっちゃ笑った。大倉くんだったかが、6人の関ジャニ∞として、彼の穴を埋めるのではなく、別のものとして、大きくなっていきたい(ニュアンス)と言っていた。回を重ねるごとに大きくなる彼らの姿が想像できるコンサートだった。

6人の関ジャニ∞は、変に着飾らず、等身大の彼らだった。この人たちはいつもそうだ。ありのままをぶつけてくる。演出やセットリストもシンプルだった(もちろんユニット曲や映像にギャーギャー騒いだりはした)。どちらかというと、「思い」とか「愛」を全力でぶつけてきて、客席がそれに全力で応える、という形。極端なことを言えば、何を歌われても同じ空間が成立したのではないか。何を歌うかではなく、誰がどう歌うか、が大切。関ジャニ∞は昔からこのスタイルが得意だと思う。メンバー、ファン、お互いの感情がぶつかりあうと、文字通り熱気が会場を包みこむ。昇天しそうなくらい気持ちよくて、脳内でドバドバと何かしらの物質がでている感じ(アドレナリン?)。6人であることは間違いなくとてもとてもとても寂しくて、メソメソしたくなるのだが、村上くんが言ったように少なくともコンサート中の「現実は楽しい」のだ。

各々のやり方で一歩踏み出そうとしている6人は美しかった。有り体にいって、「いい男たち」であった。今回のツアーの核は「6人のREDEBUT」にある。覚悟を決めて、折り合いをつけて、この形にまとめてきた関ジャニ∞はとてもたくましく思えた。

 

 

*1:そもそも髄膜腫の手術をしたことすらリアルタイムでは知らされず、本当にファンは何も知らないんだなぁと思ったりもした

*2:9月5日に発売される「ここへ」が6人初シングルとなる