ジャニヲタ、双眼鏡を買う

この夏、ジャニヲタ三種の神器のひとつである双眼鏡を新調した。

 

今まで使っていた双眼鏡は、ビクセンのアリーナ10倍。

悪い子ではなかったし、大きな不満もなかったんだけど、これで満足していいのかな?という思いはずっとあった。「もう少しお金を出してもう少し本格的な双眼鏡を買ったら、また違った世界が見えてくるんじゃないかなあ」「でも双眼鏡って高いし、どれくらいの費用対効果があるのかもよくわかんないし」なんていうことをむにゃむにゃ考えているうちに次の現場が決まって、そうするとお金もなくなるし、まぁ双眼鏡のことは今度でいいかと後回しにすること数年。運命の日は突然やってきた。7/15の札幌ドーム。一緒にコンサートに入らせてもらったしまこさんの首には燦然と防振双眼鏡が輝いていた。しまこさんの防振を覗かせてもらったら最後、私の愛用していたアリーナちゃんがとてもちんけなものに思えてしまい、寝ても覚めても双眼鏡のことを考えるようになってしまった。

というわけで、双眼鏡を買って使ったお話。

 

前提

関ジャニ∞を追いかけているので、主戦場は各所ドーム。 体感として座席はアリーナ:スタンド:天井が2:2:6くらいだけれどどうでしょう。コンサート中はわりと双眼鏡を覗いている方だと思う。6〜7割くらいは双眼鏡を見ているかな。基本的には自担ロックオンなので、安田担と一緒にはいったら同じ動きをするし、丸山担とはいったら視線がクロスするよ。ただ、ジャニヲタなのでペンラも持ちたいし、うちわも持ちたい。振り付けも一緒におどりたい。手と目がもっとほしい。器用じゃないのでメモはとりません。とれません。

 

お勉強する

札幌から家に帰宅して早速双眼鏡について検索。メーカーサイトやジャニヲタブログを中心に双眼鏡についての知見を深める。双眼鏡愛好家さんのサイトも役に立った。双眼鏡も沼なのかもしれない。
www.ricoh-imaging.co.jp

recreation.pintoru.com

 要は双眼鏡選びって、倍率・口径・明るさ・重さ・視野などのパラメータを調整して自分に最適な1台を見つける作業だ、ということがわかった。というわけで各要素の重要度を検証していく。

倍率はまぁいいとして、口径、明るさも無視できない要素らしい。コンサート会場のような暗い場所では明るさが見えやすさに直結してくる。口径は光を集める対物レンズの大きさで、明るさを知る目安のひとつとなる。双眼鏡に書いてある「●×▲」の「●」が倍率、「▲」が口径を表す。「10×32」は「10倍で32口径」ということ。双眼鏡は倍率があがるほど暗くなる傾向があるので、「10×32」と「8×32」は後者の方が明るい。この辺りはどのページにも書いてあるので、最低限の知識っぽい。

じゃあとにかく口径が大きい方がいいかというと、そういうわけでもない。口径が大きい=レンズが大きい=重い、のだ。口径がでかい双眼鏡は、本体もでかい。私はここが結構気になっていた。双眼鏡はコンサート中2時間首からかけているので、あまり重いと身体がバッキバキになることは容易に想像できる。しまこさんは「体がバキバキになっても自担の顔がいいので大丈夫!」と力強い理論を展開されていたけれど、それでも不安はあった。一方で、しまこさんの言うことも一理あるような気がして、せっかくなんだから多少無理しても明るくて綺麗な双眼鏡を使いたいよなーとも思ったりした。ちなみに口径が大きいと価格もあがります。

また、防振/非防振も考えなくてはいけない。防振は自動で手ブレを制御してくれるので、確かにめっちゃ綺麗なんだけども、その分価格が高い、そして重い。(とにかく重さにビビりまくっていた。)ジャニヲタ界隈では数年前に防振の波がきて、いまは揺り戻しで「別に防振なくてもよくない?」という流れがあるように思う。いい双眼鏡≒防振なのは間違い無いんだけど、本当に必要なのか?は検討する余地あり。

で、最後にいまいちよくわかんない項目として視野とレンズの質。視野も広いにこしたことはないだろうけど、公式HPにのっている数字の差が感じられる効果の差としてどれほど現れてくるのかはピンとこなかった。レンズの質も同様。ただ、一般的に、双眼鏡の質は価格に比例するらしいので、同じスペックなら金額が高い方が"いいもの"ではあるらしい。

 

店にいってみる

下調べをした後、実際にヨドバシカメラに足を運んでみた。お店によっては店員さんが丁寧に解説をしてくれるらしいのだが、私が行った時はまわりに店員さんがいなかったため一人で店頭に置いてある双眼鏡を取っ替え引っ替えするしかなかった。ざんねん。

で、肝心の双眼鏡選びだが、ヨドバシでみても全然わかんねえ……というのが正直なところだった。そもそも店が明るいし、ドームの距離で人が立っているわけではないので、どの双眼鏡をみても、「???」っていう感じ。どれも綺麗にみえる。。。

店に行ってよかったのは、気になっていた重さが確認できたこと。各双眼鏡を上げたり下げたりしながら、これくらいなら持ち続けられるかもという目星がつけられた。

  

条件を絞り込む

インターネットでのお勉強と店頭調査で欲しい双眼鏡の条件を絞り込んだ。

  • 倍率:10倍
  • 口径:32 or 42
  • 重さ:600g以下
  • 防振:なし
  • 金額:35,000円程度
  • その他:amazonで買えること

主戦場がドームなので倍率10倍はほしい。バランスよく扱いやすいのは8倍という説もあるが、「自担の顔を大きくはっきり見たい」ので、10倍は譲れない。口径は大きい方がいいけれど、32でも許容。気になる重さは、ヨドバシで持ってみた感じ、600gが耐えられる最重量だと思った。ついでに、たまたまカードのポイントでamazonギフト券2万円分が手に入ったこともあり、amazonで購入することがマスト条件に食い込んだ。

この条件をもとに、各メーカーサイトを吟味していく。私が比較したメーカーはKOWA、ニコン、Vixen、フジノンの4社。動きのある対象を得意としているメーカーもあれば、天体観測に強いメーカーがあったり、バードウォッチングにおすすめのメーカーがあるといったように、メーカーごとにそれぞれに色があるらしい。私が見るものはアイドルで、動くし走るし踊るし、お星様のようにキラキラしているし、鳥のように歌うので、その辺りはあまり気にしないことにした。

各メーカー倍率や大きさ×ランクで数ライン取り揃えている。気になるものを表にしてまとめ、うんうん唸ること数日。

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※表の数字は間違っているところもあるので、購入する際はきちんと公式サイトで確認することをおすすめします 

 

購入する

ついに購入に成功。

これからお世話になる我が家の愛娘はこちら。じゃじゃーん!

 

Nikon 双眼鏡 モナーク7 10×30 ダハプリズム式 10倍30口径 MONARCH 7 10X30
 

ニコン モナーク1030口径!!!

ニコンはご存知光学機器(レンズとか望遠鏡とかカメラとか)の代表メーカーであり、「光学系一筋」らしい。メーカーは検討要素から除外したとはいえ、光の可能性に挑み続けているという渋い感じも気に入った。

ちなみに、600g以下で絞った結果、42口径の選択肢はほぼなくなった。モナーク7の下位機種であるモナーク542口径はギリギリ600gなので、かなり迷ったが、「双眼鏡の質は金額に比例」という言葉を信じ、モナーク7のレンズの質に賭けることにした。明るさに満足しない可能性もあるが、良いレンズがとにかくなんとかしてくれると期待。「32口径でも明るいですよ」というアドバイスをもらったのも大きかった。

 

使ってみる 

新入りモナーク7は札幌ドーム公演翌週のナゴヤドームでデビューさせた。

やはりとても綺麗で、今まで使っていたビクセンのアリーナと比べても段違いに視界がクリアだった。ブルーレイ画質と評されるのはこういうことか、と思った。目の前の映像が本当に本当に鮮明で綺麗。視力0.7くらいの人がメガネをかけて「見える!」ってなる感じ。輪郭がはっきりとした。倍率は変わらないので、今まで小さかった安田くんが大きく見えるようになったというわけではないが、以前より細かいところまで見ることができた。天井席からもバクステにいる大倉くんのピアスを確認できたのは嬉しかった。明るさも増したので、暗転中もステージで何をしているのかも見える。席が遠いとスタンバイしているのがメンバーなのかダンサーなのかわからないときがあったのだが(私だけだろうか)、そういったこともなくなった。コンサート中にはいってくる情報が増えるので満足度もとびきりあがる。

意外と前の双眼鏡と差を感じたのは視野の広さだった。ビクセンアリーナの見掛視野が50.0度に対して、モナーク760.7度。スタンド正面からバンドをみたとき、アリーナだと誰か1人プラスα程度しか捉えることができないが、モナーク7だとバンドをまるっと見ることができる。さっと覗いた時に、ベースの丸山くんからギターの安田くんまで、きれいに視野におさめることができる。ぼーっと視野全体を捉えることも、動いたときに追うこともしやすいので、とてもよかったと思う。

重さに関しても、モナーク7440g程度ならそこまで負担に思うことはなかった。コンサート中というより移動中にはずしりとカバンの中にある質量を感じたので、これ以上重いとやっぱりつらいかもしれない。逆に言えばリュックを使ったり他の荷物を減らすといった工夫の余地はありそうだった。

 

いい双眼鏡はとにかくストレスが軽減されるんだなと思った。もっと綺麗に見たいのに!というのもストレスだし、細かいところがぼやけるというのもストレス。双眼鏡の質をあげたことで、そういったストレスがすーっとなくなった。とはいえ、魔法の筒ではないので、いい双眼鏡を覗いたところで、対象がいきなりドアップになるとか、目線がもらえるとか、1ミリも姿を逃すことがなくなるとか、そういった驚くべき効果はない。しかし、今まで意識していなかった障壁が取り除かれると、コンサートがより快適になる。そして、一度知ってしまうと、障壁が多い世界には戻れないのだ。

そういう意味では、防振も「手ブレというストレスを取り除くための装置」にすぎない。重い防振を持って、手ブレというストレスが除去された代わりに肩こりというストレスが添付されてしまっては元も子もない気がする。もちろんどちらのストレスがより自分に影響を与えるかは人それぞれ。私は防振なしの双眼鏡を選んだが、わりと揺れるドーム下段にはいったときは、ちょっと防振にすればよかったとは思った。まぁ全てを叶えてくれる双眼鏡はないので仕方がない。もし今後防振双眼鏡を買うことがあったら、12倍くらいのゴリゴリのやつがほしい。

 

双眼鏡を買うということは「自分にとってどういう状態でコンサートに参加するのがベストか」を考えまくることだった。例えば「コンサートは踊りまくりたい!」というのであれば、片手で扱える物の方が良いだろう。ドームより劇場に通うことが多ければ、倍率10倍は不要だとおもう。逆に、野鳥の会並みに双眼鏡ガッツしたいならば、安定感があってしっかり力を発揮してくれるやつが良い。私は、比較的扱いやすくて、比較的明るくて、比較的しっかり見ることのできるバランスの良いタイプに落ち着いた。何かに特化して失敗するのが怖かったのもあるし、自担の姿を凝視することと同じくらい、ペンライトやうちわを振ることも諦められなかったというのもある。

双眼鏡選びは就活に似ている。自分の理想や条件と現状を照らし合わせ、なるべく100点に近い形を選び抜くんだなと思った。(就活とは違い、選ばれるフェーズがないのは良いですね)

 

最後に

双眼鏡に投資するのはとてもコスパがいいと思う。セトリや演出、座席の位置は公演ごとに変わるし当たり外れもあるが、自担の顔がかっこいいのは絶対真理だからだ。いい双眼鏡を買うと、どの席であってもかっこいい顔を拝むことができる。ハズレの席、ハズレのコンサートがなくなる。参加するコンサートの質が向上する。なぜならそこには圧倒的にかっこいい自担がいるから。だから、どこかに投資するならばまず双眼鏡へ!と言いたい。もちろん前述のとおりコンサートに何を求めるか?によるけど、かっこいい顔をみるのはとても良い。みんな、自担の顔すきでしょう?

ただ、こればっかりは体験して見ないとわからない良さでもある。私も隣がしまこさんで(しかもしまこさんのお友達もいい双眼鏡を持っていた)、公演中に貸してもらって初めて買う決心がついた。私と一緒にコンサートにはいることがあれば、どんどん貸すので声かけてほしい……。

昨今では双眼鏡レンタルなんてものもあるみたいなので、こういうのを使って見るのもいいかもしれない。mi-look.jp

私も防振レンタルしてみようかな、と思ってしまうあたり防振への憧れも捨てきれていない。。。

 

 

さいごに、結果的に私の背中をおしてくれたしまこさんの双眼鏡ブログはこちら。

やっぱり体験しないとわからないというのは、そのとおりなんだよな。mgc-tm.hatenablog.com