Sexy Zoneに栄養をあげたいと思った、 LIVE TOUR 2019 PAGESの感想

Sexy Zone LIVE TOUR 2019 PAGESに行ってきました。

残り2公演ではありますが、サクサクネタバレしているので、避けたい方は回れ右でお願いします。

 

 

 

 

 

PAGES、めっちゃよかった。そんなわかりきっていることをわざわざ一番最初に言いたくなるくらい、めっちゃめっちゃよかった。もう、とにかく、楽しい。Sexy Zoneのコンサートめっちゃ楽しいよ!!!!!っていうのが私がいちばん言いたいこと。

 

去年のツアーrepaintingがとても好きだったので、正直、すこし不安だった。「今回のツアーあんまりだな…repaintingが私の嗜好にはまっただけだったんだな…」って思うのは、あまりに寂しい。初恋の人が忘れられない、みたいなことってあるじゃないですか。repaintingは私にとって恋で、衝撃で、あまりに甘美な時間だったからこそ、次の相手がいまいちだったら、もう恋愛ができなくなってしまう。この1年でちまちまと集めたDVDやCD。どれもとても楽しかったのに、コンサートで好きになったから、コンサートでがっかりしたくなかった。

 

 

 

まぁ完全に杞憂だったわけですが。

 

 

 

相手はあのSexy Zoneよ?当時の私は何を不安視していたのか。ほんとうに、そんなことに感情を割くくらいなら、もっと世のため人のためにできることがあっただろ。目を覚ませ、相手はあのSexy Zoneよ???

 

 

まず、入場してセットのかわいらしさに胸キューン!した。メインステージでは、ディズニーランドみたいな綺麗な街並みが、ピンクと紫とオレンジがまざったような光と、丸い電灯で照らされていた。これがとってもかわいくて、このコンサート間違いないわと確信した瞬間だった。アルバムPAGESの少し大人っぽくて、春の海辺のようなさわやかでおだやかな雰囲気が見事に可視化されてると思った。共通のモチーフがあるわけじゃないのに、CDジャケットの佇まいともリンクしていた。
実際、このセットは有用だったと思う。make me brightという、これまたオシャレで気だるい歌をメインステージで歌うのだが、これが本当に綺麗で、ぽーっと見とれてしまった。セットの力によって、空気がきちんと曲色に染まっていた。下手側で歌うふまけんがあまりに綺麗すぎて、まじでポストカードにしてほしいと思った。そもそもmake me brightがかなり良くて、生で聴けるのを楽しみにしてたんだけど、こんなに綺麗に映されてとても嬉しかった。風磨くんはほんとうにこの曲がうまい。ディレイな波が彼のリズム感にあってるんだと思う。反対に、落ちサビの勝利くんはタイトでドライに歌っていて、そこの対比もすき。

 

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PAGESはオープニングは「カラクリだらけのテンダネス」から始まる。この始め方もめっちゃ好きだった。
コンサートにおいて、シングル曲をどう使うかっていうのはわりと難しい。アルバムの世界とマッチするとは限らなくて、明らかに主張が激しくなってしまったり、浮いてしまうことも多いと思う。コンサート中でもうまくいかせなくてお手振り曲にまぎれたり、下手したら演奏されないこともある(それが悪いわけではない)。カラクリだらけのテンダネスは、アルバムの中でも特に強い曲で、良曲揃いのPAGESの中でも全然埋もれてなくて、むしろ輝いている曲。だからこそ、どこで使うかは悩ましいところだなぁなんて思っていたら、Sexy Zoneはそれをオープニングに持ってきた。しかも、そのあとの流れから完全に分断された「オープニングアクト」として。
外周に一人ずつ登場するセクシーたち。追われる4人、銃をもった勝利くん(めっちゃ顔がいい)。メインステージに集まった4人が撃たれてコンサートはスタート(最初に特攻を使うのも華があってあってすき)。で、この追われる〜撃たれるっていうカラクリだらけのテンダネスの文脈を、そのあと一切使わない。回収しない。潔く切り離したからこそ、逆に浮くこともない。オープニングアクトとしてしっかり見応えがあるので、その後まったく触れられなくても違和感はないし、完全に別物として楽しめる。アクが強くて周囲となじまないシングル曲の使い方として、英断だなぁと感心した。「演出がうまい」ってある種メタ的な快感ではあるけど、Sexy Zoneのセンスを感じてよかった。

 

Sexy Zoneのコンサートは要所要所で「センスがいい!」「うまい!」と拍手したくなるタイミングがある。そこがとても好き。ケンティーがパンフレットで、自分たちの強みを「アイディアと工夫」「テーマと見せ方」だと言っていて、嬉しくなった。自分たちの強み、しっかり把握してるの、えらい。こちらの実感とずれてないところも、えらい。
君にHITOMEBOREはそんなアイディアと工夫を感じた場面だった。曲が始まる前、ステージの天井からばん!ってジャケットが降ってきて、4人の目の前に吊るされた。そのジャケットを手にとって着用し、歌が始まった。ジャケットが上から降ってくるって、そんなの見たことなかったからびっくりした。ジャケットをステージ下にとりにいっても、なんなら着てきてもいいはずなのに、わざわざ上から降らせた。一手間加えることで場面転換にもなるし、小さな驚きでひとつ山ができる。こういった細かい山の積み重ねが、Sexy Zoneのコンサートの質を向上させてるんだなぁと思った。


「期待を裏切る」っていう裏切らなさは、ジェットコースターみたい。おこることはわかっているんだけど、そこに到るまでのドキドキは、先が見えないことによるもの。なにがくるかはわかんないんだけど、なにかくることはわかる。で、やってきたものは、予想をあっさり超えていたりする。

Sexy Zone全体もそうだし、あと、やっぱり、中島健人が、完全に「驚き」を提供してくれる。やりすぎじゃん!意味わかんない!ってなることもあるんだけど、フリとオチのギャップが驚きで、すなわちそれがエンターテイメントなのだとすれば、やっぱりケンティーのエンタメは本当にすごい。
あと、「やり切る」っていうことにおいて、ケンティー以上に信用できる人はいない。例えば、オープニングで自ら薔薇をふらせたり(モニターはいっぱいに舞う薔薇。薔薇越しのケンティー)。ソロ曲の最後におもいっきりリンゴをかじったり(汁をすする音もついてる)。水飲んだと思ったら体にかけたり(エロい曲)。ここまでできる人ってやっぱりそういないんじゃないかな、って。一緒にはいった方が「コンサート中見ていていちばん楽しいのはケンティー」と言っていたけど、ほんと、まさにそのとおりで、一挙手一投足目が離せない。1ミリも逃したくない。スタッフさんにタオルをわたす瞬間ですら中島健人中島健人を遂行する力が誰よりも高い。絶対楽しいことが起こるっていう安心。強い。

 

 

Sexy Zoneのコンサートは、すごくうまいプレゼンのようだと思う。
一枚一枚のスライドにきちんとメッセージがあり、伝えたいことがわかりやすい。流れるようなリズムが心地よくまとまっていて、人の気持ちを動かす。しっかり練られているから、心にずどーんと突き刺さる。

 

 

プレゼンは成果のためにおこなうけれど、じゃあ、Sexy Zoneはコンサートを通して、何を得ようとしているのだろうか。

 

 

Sexy Zone、とくにケンティーが繰り返し「声がほしい」と言っていることが気になった。
去年repaintingを見たときに、「Sexy Zoneは歓声を食べて生きている」と思った。ファンからキャーって言われることで、より輝くんだな、と。

でも、実はもっと切実なのかもしれないと思い直した。歓声を食べて生きているというよりも、歓声がないと生きられないのかもしれない。

実際、Sexy Zoneのコンサートって、歓声があって初めて成立することも多い。多少演出が過剰だったり、照れてしまうようなベタベタなものもあって、ファンの声がないとサムい時間になってしまう可能性もある。でも、そうさせないための仕掛けがたくさんあって、それをひとつずつクリアしていくことで、コンサート全体が高まっていく。それってうまいやり方だよなぁと思う。声があって初めて完成するつくりだからこそ、声を出さざるを得なくて、気づいたら空間を彩る一部として機能させられている。基本的に声を出すのは楽しい。熱気は伝播して、指数関数的に盛り上がる。Sexy Zoneコンサートの満足感が大きい理由の一つに、好きなだけ声を出せることがあげられると思う。意図した通りに動いていけば、ご機嫌になれるように設計されてる。あとはそこにたどり着けばいいだけ。構造の勝利、お見事。

で、そういった仕組み的な部分とは別に、マインドとしても、声が必要なように感じた。Sexy Zone、歓声があると輝くっていうか、歓声がないとしおれてしまう不安がある。決してパフォーマンスが落ちるわけではない。あくまでもこちらの解釈として、Sexy Zoneに歓声が浴びせられないとやばいぞ、となんとなく思うだけ。歓声って飴ちゃんのようなご褒美だと思っていたけど、炭水化物とかタンパク質とかもっと重要な栄養素なのかもしれない。Sexy Zoneを生かすために、Sexy Zoneが生きるために、声が必要だ。

そんなSexy Zoneだからこそ、やっぱりたくさんの栄養をあげたいと思ってしまう。もっともっと大きな声を聞かせてあげたい。ファンひとりひとりの熱量や声量をあげることもできる。でも、それよりも手っ取り早いのは、単純に量を増やすこと。すなわち、大きな会場でやること、だ。バリバリ新規のわたしがいうのもなんですが、やっぱりドームでやってほしい。5万人の歓声をあびて、生命力に溢れるSexy Zoneを見てみたい。MCでもパンフレットでも「東京ドーム」という具体的なことばが聞かれた。こんなにはっきりと目指すものを言う姿に驚いた。だからって何をどうすればいいのかわからないけど、心の底から、Sexy Zoneに東京ドームコンサートをやってほしい。Sexy Zoneは東京ドーム中を満足させられることができる。これは、まじで、断言します。

 

 

とにかく、Sexy Zoneのコンサートは、とってもとっても楽しい。

帰ってきてから熱に浮かされたようにSexy Zoneのことを考えている。というかそれ以外考えたくない。あらゆるインプットを意識的にシャットダウンしていて、そろそろ日常生活に影響が出そう。 うなされたように、Sexy Zone、ぜったい、時代つくろうね、って言っていて、そんな毎日はこれまたとてもとても楽しい。