関ジャニ'sエイターテインメントGR8ESTにいってきました(わたしのきもち)

ツアーの感想って結構難しい。公演ごとに思うことはあれど、2ヶ月間の考えたこと感じたことをひとつにまとめるってあんまりうまくいかないことが多い。それでも今回は気持ちを残したほうがいい気がしたので思ったことをとりとめなく書きたいと思う。

 

オーラスが終わってホテルに戻ってきた今思うのは、「無事終わってよかったなぁ」ということ。このツアーは立派に関ジャニ∞のRestartでありRebornでありRedebutだった。

 

札幌公演はとにかく不安だった。始まる前の「どうなっちゃうかわからない」気持ち。なんとかして盛り上げなくてはいけない、絶対失敗してはいけないと思って、久しぶりに強めのエイトコールをした。すばるくんパートがやってくるたびに体が硬くなってしまったし、とにかく緊張と不安が大きかった。わたしたちも、エイトも。そもそも、すばるくんの不在を受け入れるには時間がたってなさすぎて、とても泣いた。ヤスくんの体調にもドキドキした。歩くのもままならないくらいの状態かと思っていたので、ギターを弾く姿にとりあえず安心したのを覚えている。探り探りのツアー始まりではあったけれど、しっかり盛り上がったし、楽しかったし、6人でもやっていけるのかな、という気振りがみえた。

名古屋公演は、札幌を無事終えられたことによる自信からか、幾分かメンバーも力が抜けているように見えた。ヤスくんは名古屋公演をやりきるというのが大きな課題であったようだった。メンバーに「元気?」と聞かれても「そんなに」と答えていた頃。適当に「元気だよ」ということもできるのに、それをしない人なんだよな。

 

daa8tn.hatenablog.com

コンサート終わりにわたしは昂ぶったブログを書いたりした。うるさいオタクなので、髪型とか衣装とかに文句をつけがちなのだけど、気持ちの根っこはこのブログに書いた通りだな、と今も読み返して思う。ヤスくんへの感情のベースは尊敬で、ヤスくんのことは全世界に自慢したくて、それは多少踊れなくてもメガネであっても何も変わらない。安田章大は世界一かっこいい男だよ。

 

名古屋公演から一ヶ月あいての大阪、東京。エイトは1公演ずつ着実にやりきり(台風による延期はあったものの)、少しずつ今のエイトの形をつくっていったようだった。レポを読んでいても、6人の関ジャニ∞を乗りこなせるようになってきていると感じた。

 

そして、ラストの福岡。札幌や名古屋と比べてとても"普通"で、すごくフラットな公演だった。残酷なことだけどわたしも6人の関ジャニ∞に慣れてきているんだなと思った。慣れてきている、というか、いままでの関ジャニ∞とは別物として捉えられるようになっている。大倉くんが最後の挨拶で「なんとかなるもんだな、と思った」というようなことを言っていた。なんとかなっちゃったな、とわたしも思う。あんなに泣いた札幌からまだ2ヶ月しかたっていないのに。会見から半年も経っていないのに。すばるくんのパートを「元すばるくんパート」として受け入れてしまっている。すばるくんいないRemixとして、違和感なく聞いてしまっている。そう思えるくらい6人であることが自然になっていたんだよな。って書いておいてなんだけど、それはやっぱり寂しすぎる。6人が自然だなんて、そんなことは違う。でも、うまく言えないけれど、わたしの中で、わりと整理をつけられてしまったのは嘘ではない。

福岡は必要以上のエモはのっておらず、明るくこざっぱりと前をむいていた。わんわん泣くとか、重い言葉を投げかけられるとか、見ながらオタク号泣とか、そんな展開もあるかなと思っていたんだけど、そういうわけではなかった。わたしはこの5ヶ月をふりかえって涙ぐみはしたけど、前が見えなくなるほどではなかった。ツアーをとおしてしっかり6人のスタートを見せてくれたから、変に悲観的にならずにすんだ。

ヤスくんも名古屋の頃からは比べ物にならないくらい回復していて、本当にうれしい。キュルキュルと笑って、堂々とカメラアピールをしていた。ときにあざとく、ときに天使のように素直で、とてもかわいくてかっこよくて、大好きな姿だった。それを見れただけで福岡にきてよかった。やっぱり自由に表現をしているヤスくんが好きだな。

この数ヶ月で、自分で思っていたより「安田担」であると知った。DDだし箱推し傾向あるしって思ってたけど、どうやらそんなこともないみたい。ヤスくんはあまり波のない人だから、今まで振り回されてると感じたことはなかったけれど、今年はそういうわけにもいかなかったんだよ。ヤスくんの体調にこんなにも自分の気持ちが持っていかれると思わなかったな。安田章大が揺るぎなくいちばんなんだな、って気づいた。いまさらだけど。極端なことをいうと、ヤスくんがいる限り関ジャニ∞が大好きだと思うけれど、そうじゃなくなったときにどう思うかはわからない。それくらいわたしにとって、関ジャニ∞を好きな理由に「安田章大がいること」が含まれているようだ。自担の不調によって実感するとは皮肉なもん。もっとヤスくんのパフォーマンスがみたい。早くヤスくんのクリエイティブに触れたい。これからのヤスくんにも期待しかない。ちなみにそんなヤスくんでもジャニーズを離れたときに追っかけられるかはわからない。そこが愛と呼び切れないところだなーとは思う。

 

 

GR8EST、お疲れ様でした。あっという間の2ヶ月でした。無事完走できて本当によかった。ここから先が勝負だと思っています。これからも最高で最強の男たちでいてください。美味しいご飯たべてね。

関ジャニ∞はいつからハモりだしたのか

 この記事は「第1回関ジャニ∞プレゼン学会―八月のすべてくれないか―」に参加させていただいたものにすこし加筆修正したものです。

 

関ジャニ∞の魅力のひとつに平均的な歌唱力の高さがあげられる。2014年の紅白歌合戦では生歌で「オモイダマ」を披露したが、堂々たる歌唱が褒められているのをいくつも見かけた。そうなんです、うちの子たちってみんな歌がうまくて、何重に重なるハモりも難しいコーラスラインもお手の物なんです!!

ってあれ、関ジャニ∞っていつからハモりだしたんだっけ?

昔はこんなに歌が上手くて音楽に力をいれたグループではなかったはず。デビュー曲「浪速いろは節」も、一部のメンバーは手拍子のみのレコーディングだったと冗談で語っていたことがある。いつの間にか、当たり前のように「ハモる」ようになった彼ら。ハモり始めは、彼ら(もしくは周りの大人)が音楽に熱をいれたタイミングとも重なるのでは?

今回は関ジャニ∞の「ハモり」について少し調べてみたいと思う。

 

関ジャニ∞のハモり曲

まずは関ジャニ∞の曲に対して、どれくらいハモりがはいっているかどうかを確認した。

  •  対象曲は浪速いろは節〜応答セヨの関ジャニ∞が全員で歌っている曲すべて
  • ただしRemixやバージョン違いは除く
  • 「同じ歌詞を違う音程で歌うこと」をハモリとする(フェイクが重なっただけのものはハモりではない)
  • 本人ではないハモりはカウントしない
  • わからなかったものはカウントしない

素人耳なので多少のずれ漏れもあると思うが多めにみてほしい。また、アルバムにもはいっているシングル曲は集計の都合上、二重にカウントされている。

 

 

気になる結果はこちら。

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80%以上の曲にハモりがはいっている!関ジャニ∞ほとんどの曲でハモってんな〜と思っていた感覚はあながち間違いではなかったんだなぁと感心した。ちなみに集計には含まれていないが最新シングルの「ここに」とカップリング「タカラモノ」「All you need is laugh」もばっちりハモりがはいっている。

 

アルバム別にも見てみたい。アルバムに収録されている曲の中でハモりがはいっている曲の割合を調べた。

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FIGHT、JUKE BOXは全曲ハモりが入っている。 関ジャニズム、ジャムも90%を超えるくらい高い。気になるのはPUZZLEからの上昇具合であろう。ズッコケ大脱走ではハモる曲は半数にも満たなかったが、PUZZLEは8割の曲がハモっている。

 

年代別はこちら。こちらにはシングル曲やカップリング曲も含まれている。

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2008年からぐっとあがったハモり曲率は2009年には全体の80%を超え、以降は85%を切ることはない。PUZZLEが発売されたのは2009年4月。2008から2009年のあいだが大きな転換期なのは間違い無いだろう。

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なんとなく納得の並び。(黄色はハモりあり)

単純にハモる曲が増えただけでなく、「このコーラスは本人の声だな」とはっきりわかるようになったのもこの頃。それまではコーラスに加工がかけられて(ふぁさーっとした感じの加工)、「この薄くはいっている高音はヤスくん?」と疑わしい曲も多かったが、 2008年あたりからはっきりと声に主張が出るような録音になっている。同時に本人以外のコーラスは減っている。例えば、2007年発売のイッツマイソウルのサビで鳴っている高音のハモりはおそらく本人たちではないと思う。もしかしたら本人かもしれないが、音量はかなり小さく、注意して聞かないと聞き逃してしまう。楽器と同位置にコーラスがはいっている感じ。一方で、2008年発売の無責任ヒーローは、すぐに「安田くんの声だ!」とわかる上ハモりがはいっている。コーラスの声もきっちりと楽しめるのだ。以降の曲は、ハモりのラインを思い出すことが易しい曲が多くて、それはコーラスが前に出てきているという証でもある。

歌唱力に不安があると加工がかけられることがあると思う。ケロケロボイスは音程の不安定さをごまかすのに向いている。*1歌手を目指す私の友人は「うまく録音したつもりでも、実力が足りないから加工をかけられてしまう」と嘆いていた。関ジャニ∞の歌唱力は2008年にかなり向上したのでは?

 

2008年〜2009年になにがあったのか

実は2008年はリリースが少ない年だった。アルバムもライブDVDも1枚も出ていない。では何をしていたのか?そう、ライブである!(ばばーん!)2007年5月から9月末まで、全都道府県を回るツアー(通称47)を成功させた関ジャニ∞は、勢いそのままライブをしまくっている。47が終わった半年後の2008年ゴールデンウィークには「∞だよ!全員集合」というアリーナツアーを、7月からは地方を中心にまわる「∞だよ!全員集合 夏だツアーだワッハッハー」をとりおこなった。ちなみに不思議とどちらもDVDにはなっていない。

また、合間にはソロコンサートがひっきりなしに行われている時期でもあった。横山くんは2回目のソロコンを2008年の春に実施。安田くんもソロ舞台をおこなった。大倉くんも1月にEndless Shockを経験。村上くんのソロ舞台If orの前身である未定「壱」が始まったのも2008年だった。(未定「壱」はライブではないけれど)昔からライブやソロコンサートは多いグループであったが、この頃はとにかくひっきりなしに「次の現場のお知らせ」が流れてきた記憶がある。そして、渋谷くんがFLAT FIVE FLOWERSの活動を始めたのも2008年だった。FLAT FIVE FLOWERS、通称フラフラをメンバーがどう思っていたかはいろいろと語られてはいるが、良くも悪くも刺激になっていたのではないかと思う。渋谷すばるというボーカリストを客観的に捉えるきっかけにもなっただろうし、その後ろで、横で歌うことを改めて考えることにもつながったはず。2008年、音楽がグループの核になってきた時期といえるだろう。

2007年、2008年とたくさんのステージを経験し、着実に力をつけてきた7人が、実力をぐんとあげた2009年。当たり前のように曲にハモりがはいり、コーラスワークで聴かせられるようになったルーツはやはりライブにあった、というのはドラマチックすぎるだろうか。

 

ハモりの話をもう少し

ちなみに関ジャニ∞が初めてハモった曲(リリース順)は「All of me for you」だった。メロのフレーズに重ねたコーラスが耳に残る。今より甘い声の安田くんの上ハモがキュンとする。反対に一番最近の曲でハモっていないのは「えげつない」である。ラップ対決の性質か、サビも全員ユニゾンでお送りされている。「スペアキー」もハモりがはいっていなかったのは意外だった。バラードだからって必ずしもコーラスを厚くするわけではないらしい。スペアキーの作曲家はマシコタツロウさんで、「さよならはいつも」や「My Last Train」、「cinematic」をつくられた方だが、どれもハモりははいっている。編曲者はおなじみ大西省吾さんで、関ジャニ∞の曲もたくさん手がけられていることからも、作曲家や編曲者の癖でハモりが入っていないわけでは無いようだ。サビなんて今にも下ハモが聞こえてきそうなのに、ユニゾンなのはどういう意図があるんだろうな。

また、リアレンジして再収録されている「BJ」「Heavenly Pshycho」もそれぞれ聴き比べてみた。どちらもコーラスにはほぼ変化がなかった。アレンジによって雰囲気は変わっているし、歌うパートも異なっているのだが、耳に馴染んだフレーズはそのまま残しているらしい。たしかにHeavenly Pshychoの最後、「希望の歌」にラインの異なるコーラスがはいっていたら、かなり違和感を覚える。

 

 

最後に

ほんとは個人に焦点をあてた分析や、安田くんのつくった曲の分析をしたかったのだが、 時間がなくてできなかったのが心残りである。

安田くんは基本的に上ハモを担当することが多い。ピッチの正確さやリードボーカルへの寄り添い方など、隅々にひかる職人技がとても好きだ。私は安田くんのコーラスが好きすぎて「上ハモ最高」といううちわを作って持ったこともある。「コーヒーブレイク」は思いがけないおもしろソングだが、安田くんの高音を堪能するにはこれ以上のものはないとも思う。高すぎてもはや笑ってしまう。理解の範疇を超えたものに出会うときに起こる感情は笑いなんだな、としみじみする。

「ドヤ顔人生」はそんな安田くんの貴重な下ハモが味わえる。わかりにくいけれど、2メロ大倉くんの下ハモをしているのは実は安田くんだ。(コンサートで見て驚いた!)一番声の低い大倉くんの下ハモにあえて安田くんをあててきたセンスに乾杯。まろやかだが核のある低音を出すのだなぁと惚れ惚れしてしまう。そういえば各メンバーの声の高さ(上限)はなんとなくイメージできるが、声の低さ(下限)は知らないかも?どこかで調査した人がいたら教えて欲しい。

 

関ジャニ∞とハモりについての研究は以上とする。8月を関ジャニ∞にあげるきっかけをつくってくれた塩津さんと美雪さんには感謝しかない。次、機会があれば、ぜひ安田章大コーラス大賞を開催できたらな、と思う。

 

*1:もちろんきちんと意図がある場合が多いとは思う

関ジャニ∞安田章大くんに愛を込めて、GR8EST札幌・名古屋の感想を

※ネタバレあります

 

 

ジャニヲタの活動で、コンサートに行くことが一番すき。自分の中で大切にしたいものがクリアになって、毎日を生きる推進力をもらえる。

今年も関ジャニ∞のツアーが始まった。今回のツアーはいつもとは少しわけが違う。関ジャニ∞のメインボーカルである渋谷すばるくんが、ツアー前日をもって関ジャニ∞の看板を下ろした。脱退会見から3ヶ月。6人の関ジャニ∞が初めてファンの前に姿を表すツアーになる。不安、緊張。6人のステージをみて、自分がどう思うかなんてわかんないねと言いながら初日を迎えた。

 

さらに気になっていたことが、安田章大くんの体調。わたしの自担、いわゆる推しの安田くんは昨年の2月に髄膜腫の手術をした。リハビリをしながら1年ほど経過したこの4月に、"立ちくらみ"により転倒、背中と腰を骨折した。日常生活は送れるようだが、踊ったり走ったり跳んだりはできないということだった。*1今回のツアーも不参加や延期が検討されたらしいが、6人で初めてのコンサートということもあり、初日の札幌から出演が決定した。

私は、踊る安田くんが、とてもすきだ。コンサートDVDでも、メイキングのダンスリハを1番……とは言わないまでも、かなり楽しみにしている。だから、安田くんが踊れないと知った時は、正直悲しかった。今回のコンサートでは、村上くんのソロ曲のバックで錦戸くんと大倉くんがヒップホップ風のダンスをする演出がある。2年前のコンサートでも同じ曲で村上くん以外の他のメンバー全員が今回と同じようにヒップホップ風のダンスをしたのだが、そのときの安田くんがあまりにかっこよすぎて、これに8000円払ってもいい!!!!と真剣に思っていた。が、いろいろあってきちんと踊る姿はDVDに収録されなかった。それが本当に悲しくて、その悲しみは今もまだ完全に成仏できていない。今回、村上くんのソロ曲で踊る二人をみて、安田くんが踊れたら、ここで再びあのダンスが見られたかもしれないな……と切なくなった。でもそもそも安田くんが踊れたらユニット曲の構成も変わったかもしれないし、それはなんとも言えないよな、と思い直した。と、同時に、当時のDVDがあまりにイケてなさすぎて腹が立ちまくった記憶が新鮮に蘇った。

また、安田くんは病気の影響か、強い光がダメらしく、常にメガネをかけるようになった。

わたしはメガネをかけていない安田くんがすきだ。でもって、前髪はおろしている方がすきだし、髪はふわふわのパーマがすきだし、黒髪よりは金髪、金髪よりは茶髪がすきだし、まゆげは整えられている方がすきだし、目がなくなるくらい笑った顔がすき。きりっとした顔もすき。だからまぁなにが言いたいかというと、ビジュアルの好みなんて、取るに足らないということ。メガネはかけていない方がすきなんだけど、メガネをかけていてもすきだし、どうせかけるなら丸いメガネだと可愛くていいな、みたいな、気軽なものなのだ。それで安田くんの価値はなにもかわらない。

なんというか、「安田章大をかわいそうな人にしたくない」と強く思った。100%のパフォーマンスはできないかもしれないが、しっかりした歌声には「安田くんってこんなに歌がうまかったっけ……」と驚いたし、踊れないにしてもリズムに乗る姿は体から音楽があふれるようだったし、ギターをかき鳴らす姿はセクシーすぎてめまいがした。安田くんの表現はなにも劣っていなくて、十分ではないにしろ、足りないと感じることは何もなかった。これは断定だ。なにもダメなところがなかった。

だから、わたしは「安田くんかわいそう」という声に、強く抗いたい。そういう目で自担を見て欲しくない。安田章大はかわいそうな人ではなくて、かっこよくて、強くて、優しくて、最高のパフォーマンスをしてくれて、いっぱいいっぱい愛をくれる人なのだ。別に誰かが「安田くんかわいそう」と言ったわけではないが、今後そういう声を聞いたら、わたしは明確に怒ると思う。

 

と思っていたのだが、安田くんは名古屋最終日の今日の公演で「男は泣いたらだめだと親にいわれていたけど……」と言いながら、涙ぐんで挨拶をしていた。おそらく、全然体調はよくなくて、札幌名古屋の出演は諦めて8月末の大阪公演から復帰する、という話が、わりと現実的にあったのだと思う。「名古屋のステージに立つことが課題で」と言っていた。この3日間を無事に乗り越えることが、想像以上に大変なことで、それでも状況を鑑みて無理をしてでもステージに立ってくれた。無事3日間を終えられそうなことによる安堵なのか、思う存分表現ができないことによるストレスや情けなさ(本人は何回か自分の体調を情けないと言っていたし、謝っていた)なのか、はたまたプレッシャーによるものなのかわからないけど、安田くんの涙に思わず胸がぎゅっとなった。安田くんはあんまりファンの前で泣かない人なので(たぶん)、わたしは衝撃でオロオロしてしまった。好きな人には笑っていてほしいし、おいしいごはんを食べてほしいし、健やかに暮らしてほしい。

コンサート中にメンバーと何回か「ヤス元気〜?」「そんなに」「そんなこというなよ(笑)」といったやりとりがあった。冗談にできるくらいなのでそこまで深刻ではないともいえるけど、「元気!」と胸をはって答えられるほど元気ではないんだろう。嘘をつきたくない安田くんらしいなと思った。ツアーパンフレットで誰よりも強い言葉で「はやく6人の音を届けたい」と言っていたのは、必ず6人で舞台に立つという決意があったからかもしれない。あえて言葉にしたのは、不安もあったのかもしれない。

わたしは安田くんの涙にわりと動揺してしまって、今の状況を改めて呪いたくなった。でも、挨拶の後の安田くんの表情がかっこよくて、歌声は最高に伸びていて、表現も豊かで質が高くて、ニコッと笑った顔がとてもかわいくて、やっぱり安田章大をかわいそうのフィールドに置きたくないと思った。いったん呪うのもやめた。

心配じゃないと言えば嘘になるが、不必要に心を不安に向けるのはやめたい。素直に、彼が発信しているものを受け取りたい。例えば少し苦しそうにみえたり、笑顔が少なかったりを、目ざとくみつけて、「ヤスくん……」となるのは、わたしは嫌だし、あまり誠実ではないと思う。実際苦しかったり、笑えなかったりすることもあるかもしれないが、変に詮索することではない。それよりも彼が魂込めて歌ったり、踊ったり、ギターを弾いたり、喋ったりする姿を真正面から受け止めて、愛でる方向にエネルギーを使いたいと思う。

だってうちのギター、ほんとうにかっこいいのだよ。世界で一番かっこよくて、かわいいのだ。私は安田くんを溺愛している方ではないと思っている(ほんとか?)が、それでも安田くんのすごいところは何個だって言える。

大阪までは少し時間があるので、その頃には今よりよくなっている、と言ってくれた。(でもあんまり期待しないで、とも言っていたが。それは彼の思う100%のパフォーマンスには届かないかもしれないということだと解釈。そらそうだ、1ヶ月だもん。)「元気になることが仕事」とも言ってくれて、それは結構安心した。近くに行けなくてごめんねって言ってたけど、近くに来てくれなくても(来てくれたら嬉しいけど)、安田くんのいいところはビシバシと伝わって来て、そのことで私は幸せになれるので、全然大した問題ではない。

錦戸くんが「(渋谷くん最後のテレビ出演である)関ジャムのセッションで泣いてしまったけど、そのことによって整理がついた」と言っていた。安田くんも今日ちょっと泣いたことで、なにか吹っ切れたり、整理がついたりしたらいいな、と思う。

  

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札幌ドームで6人になった関ジャニ∞が初めて舞台に登場した時に、収まりの良さに衝撃をうけた。前3人、後ろ3人のバンド編成はあまりにバランスがよく、一目見て人数が減ったことを感じてしまった。収まりがいいことを収まり悪く感じるなんてことがあるんだなぁと妙に冷静に思った。直前に発売されたアルバムは、2012年に発売されたあおっぱな以降のベストアルバムである。よって、コンサートもシングル曲を中心に構成されていた。つまり、6人のために作られた歌はまったくない状態だった。*2先週まですばるくんが歌っていたパートを、代わる代わる他のメンバーが歌う。耳にはまだすばるくんの声が色濃く残っていて、記憶って結構強いんだなぁと思った。コンサート前半のバンドパートが終わるまで、すばるくんが歌っていたパートがくるたびに泣いていたと思う。メインボーカルなので、かなり頻繁にその機会は訪れ、その度にハンカチで目頭を抑えていた。

札幌公演は、緊張とヒリヒリしたものを感じた。実際、最後の曲の前で一人ずつ挨拶をするときに、何人かのメンバーが「ここまでこれてホッとした」と言っていた。それを聞いて私もホッとした。互いの不安を確認したこと(つまり、私たちの感情は独りよがりなものではなかったということ)、コンサートが最後まですすめられたこと。複雑な感情は依然存在したが、なんとなくこの6人ならば大丈夫かもと思えたのはよかった。

名古屋ではその緊張がいくらか和らいでいた。もっと純粋に貪欲にコンサートを楽しもう、楽しませようという気概を感じた。表現が難しいし、さっき言ったことと矛盾するかもしれないが、芝居くささが薄れていっているな、と思った。肩の力が抜けている、ともいう。MCでしつこく悪ノリをする彼らが、大好きだなと思った。実際めっちゃ笑った。大倉くんだったかが、6人の関ジャニ∞として、彼の穴を埋めるのではなく、別のものとして、大きくなっていきたい(ニュアンス)と言っていた。回を重ねるごとに大きくなる彼らの姿が想像できるコンサートだった。

6人の関ジャニ∞は、変に着飾らず、等身大の彼らだった。この人たちはいつもそうだ。ありのままをぶつけてくる。演出やセットリストもシンプルだった(もちろんユニット曲や映像にギャーギャー騒いだりはした)。どちらかというと、「思い」とか「愛」を全力でぶつけてきて、客席がそれに全力で応える、という形。極端なことを言えば、何を歌われても同じ空間が成立したのではないか。何を歌うかではなく、誰がどう歌うか、が大切。関ジャニ∞は昔からこのスタイルが得意だと思う。メンバー、ファン、お互いの感情がぶつかりあうと、文字通り熱気が会場を包みこむ。昇天しそうなくらい気持ちよくて、脳内でドバドバと何かしらの物質がでている感じ(アドレナリン?)。6人であることは間違いなくとてもとてもとても寂しくて、メソメソしたくなるのだが、村上くんが言ったように少なくともコンサート中の「現実は楽しい」のだ。

各々のやり方で一歩踏み出そうとしている6人は美しかった。有り体にいって、「いい男たち」であった。今回のツアーの核は「6人のREDEBUT」にある。覚悟を決めて、折り合いをつけて、この形にまとめてきた関ジャニ∞はとてもたくましく思えた。

 

 

*1:そもそも髄膜腫の手術をしたことすらリアルタイムでは知らされず、本当にファンは何も知らないんだなぁと思ったりもした

*2:9月5日に発売される「ここへ」が6人初シングルとなる