安田章大の覚悟を見て来た

TVガイドパーソンのキャプションの「安田章大の覚悟」が気に入りすぎて、ことあるごとに口にしていますが、要は俺節を見に行った、という話です。

ネタバレには一切の配慮なしなので、これから見に行く方、ネタバレしたくないよって方は、回れ右でお願いします。ただ、ご自身の初回を終えたらぜひ語り合いたいです。そう、安田章大についてとことん語り合いたくなる舞台だったんだよな。

 

 

 

というのも、コージがとてもとても「安田章大」に似ていたのです。

 

中途半端に優しくて、みんなに愛されて、ウブだけど頑固で、熱くて、言葉にするのが下手で、だから歌を歌う。

 

ほら、とても安田章大!!!

 

なんてヤスくんにぴったりな役なんだろうと深く感心してしまいました。

そもそも俺節は歌がテーマです。コージを演じるうえで最低限必要なのは歌唱力です。ボーカルに説得力がないと、世界が狂ってしまう。でもヤスくんは軽々とそのハードル越えていきました。何も心配はしていなかったけれど、予想以上に良かったです。チープな表現ですが、あんなに魂込めた歌を聞けるとは正直思っていなかったです。

 

「ボーカルに説得力がないと成り立たない」という点で、私は味園ユニバースを思い出していました。そして、魂込めた歌はすばるさんも歌えるけれど、すばるさんの歌はこの役とはちょっと違うな、とも思っていました。味園ユニバースのポチ男は「圧倒的な歌」を歌う人でした。コージも圧倒的なんだけれど、恥ずかしがって歌えなかったり、うまくいかなかったり。そういった機微を表現するのに、ヤスくんの歌はちょうどよかった。振り切った強さではないところがちょうどよかった。

どちらがいいとか優れているとかそういう話ではなく、「自分や周りを背負いきれなかった人」であるコージの歌と、ヤスくんの歌は、存在のサイズ感がとても合っていたように感じました。味園ユニバース渋谷すばるにしかできなかったように、俺節安田章大しかできないと思いました。

 

ここまででわかるように、とにかく私はコージとヤスくんをダブらせていました。コージと自身の共通点を最大限に引き出し表現した安田章大の技術のせいなのかもしれません。

 

物語を通じて伝えられるメッセージに「自分を生きる」「自分の歌をうたう」「自分のためにうたう」ということがあります。

ヤスくんはどういう気持ちでこのメッセージをうけとっていたのでしょうか。

ヤスくんは最近のインタビューでも「自己表現ではなくて関ジャニ∞としての音楽」を奏でることに強いこだわりを持っている様子が伺えます。自分のやりたいことではなく、関ジャニ∞として必要なことをすればいいと語っています。逆に言えば自分のやりたいことを100%表現するのは苦手なのかもしれません。実際ヤスくんはインタビューでコージのことを「わがまま」と描写しています。

それでも稽古や本番でなんども「自分の歌をうたうこと」について語られ、いったいどう感じたのか。ウブで頑固なヤスくんなので、単に「そういう生き方もあるな」としか思わなかったかもしれません。でも、もしかしたら、なにか意識に変化があったりするかもしれない。いつかこの舞台で得たものによって「安田章大安田章大のためにつくった歌」が聞けたりするかもしれない。単なるファンのエゴです。そうじゃなくても、自分と違う考えを毎日毎日聞くということが、せめて苦しみでなければいいなと思います。ちょっと重く考えすぎでしょうか。

 

そんなヤスくんだからこそ、この舞台の着地が「俺が俺と言う時は 俺とお前で俺だから」でよかったな、と思いました。これも都合の良い解釈ですが、俺=安田章大の周りには、お前=メンバーがいる。一人で全てを背負う必要がないことをきちんと示してくれて本当によかったです。*1

 

散々書いているように、コージがとてもヤスくんにぴったりに思えました。だから舞台の内容と安田章大の生きる世界を勝手にクロスオーバーさせてしまいました。邪道な見方で申し訳ない。でも、決してコージが安田章大に見えたわけではないのです。コージは出てきた時からコージだったし、表情も仕草もコージでした。

だからこそ、カーテンコールで安田章大に戻った瞬間に、彼が座長としてこの舞台を務め上げたことに改めて尊敬と感動を覚えました。

 

安田章大、素晴らしかったです、これからも、もっともっといろんなことに挑戦してほしい。安田章大ならもっといろんなことができるはずです。人知れず磨いてきた武器でたくさん勝ってほしい。この舞台がそのきっかけになればいいな、と思います。*2

*1:コージが「自分を背負うのさえ苦しい」と言ったとき、本当につらかった。ヤスくんも余計なものを背負いすぎる方に思う。

*2:最後に、軽薄な感想も書いておく。ヤスくんのサイズ感がかわいかった!!!くるくるかわる表情がとてもかわいかった!!!頭をかく仕草もかわいかった!!!それだけでも見る価値ある。